『平郡島』(山口県柳井市)
 2016.2.7


 1日で実施できるということで、最近は島巡りにはまっている。今回も前日に出発し、車中泊し、次の早朝から活動開始というパターン。島巡りといっても、結構いろいろなところに行って、条件的に難しくなってきつつある。そんな中で、今回探し出したのは、山口県柳井市の平郡島というところ。ここは、周防大島の近くで、割と大きな島なのだが、一つだけ不安要素がある。それは、一日に2便しかこの島に往復するフェリーがないということ。ということは、最後の便に遅れると、帰れなくなるということだ。そんな不安はあるものの、8時30分に最初のフェリーが柳井を出発し9時30分に平郡島に到着し、平郡島から出る最後のフェリーは午後2時40分。5時間ほど滞在できることになる。島1周は約18キロということなので、距離的には大丈夫だとは思うが、アップダウンや、名所を巡るために時間がかかったりする可能性がある。最近は、島の一番高い山に登るということもやっているが、どうも、平郡島の山は登山道が整備されているものがないらしく、地元の人でもめったに登ることはないというインターネットからの情報で、登山はせず、5時間で島一周に専念することにしてこの島に決定。まあ、なんとかなるだろう。
 前日の夕食をすませ、『つぎはぎ日本一周』の準備に取り掛かる。車中泊用のベッドの準備、自転車(今回も道が悪いところがあるという情報により、ロードはやめMTB)寝袋、低反発マット、調理器具(シングルバーナーなど)着替え、洗面用具、モバイルバッテリーなど。遠足気分でわくわくしながらの準備なのでいろいろあるが、そんなに苦にはならない。
 準備がすみ、いよいよ出発。柳井港を目指す。吉賀〜岩国方面へ行く。途中のコンビニで、次の日の朝食用に、カップ麺やおにぎり、パンなどを購入。柳井港の駐車場というのはあるにはあるが、予約が必要ということなので、近くの駐車場を探す。以前祝い島などに行った時にも利用した野球場の駐車場をお借りすることにした。ここは、トイレもあり、無料で利用できるありがたい駐車場。以前はなかった武道場もできていた。ただ、夜中は、本当に誰もおらず、車も一台もとまっていない状態だった。
 トイレの近くに陣どり、車中泊をする。結局眠りについたのは夜中の1時ごろだったと思う。暖房の温かさが残っており、夜中には暑いくらいだったのだが、さすがに明け方、少し寒くなって目が覚めた。毛布なども出し、もう一度寝る。低反発マットのおかげで、下からの寒さは感じないのだけれど、上からの寒さを感じた。さて、再び目が覚めたのは7時ごろ。トイレにいったり、朝食(バーナーでカップ麺、おにぎり、コーヒー)を食べる。結構、風が強く、海の状態が心配になる。

  

 ここに、今日は車を置いておき、ここからMTBで柳井港に向かう。8時30分に出港なので、これに遅れると、平郡島をあきらめることになるので、7時50分ごろにはスタート。8時10分ごろには柳井港に到着、間に合った。大人と自転車で2030円。結構する。
 フェリーの中は、寝転がれるところがあったので、そこへ行く。このフェリーに乗っている時間が、最近では長い部類にはいる1時間。横になれるのはありがたい。外の景色も見え、快適な船の旅といった感じだ。


 9時30分。平郡島の西側の港に到着。ここから1周を目指す。
 港に島の案内板があり、それを見る。何か、その上に注意書きが添えられている。それを見ると、南側の市道の一部が通行止めとあるではないか。まあ、迂回路もあるだろうと思い、待合室を掃除していたおばちゃんにこのことを聞いてみると、島民も困っているらしい。1年近く復旧工事をしてくれず、そのままということで、歩いてもいけず、すぐ近くに畑があるのに、島を北側周りで1周してからでないと行けないので、畑をあきらめた人もいるとのこと。迂回路もなく橋が落ちたりしているので、自転車では1周できないという。せっかく来たのに、ショック。仕方ない。今回は、片側だけの島巡りとなる。
 柳井港あたりで、買おうと思っていて忘れた本日の昼食。当然、食堂などないだろうとは思うが、売店はあるだろうと思い探すが、見当たらない。もしかして、売店もない?もう一度、待合室のおばちゃんに、この島の店はどこかを教えてもらう。2軒ほどあって、日曜日は1軒はお休みだそう。もう一軒の店を教えてもらう。表の道にはなく、街中の狭い路地を抜けたところに小道があり、そこに、ひょっとしたら、店?という家があった。ただ、看板も何もなく店という自信がなかったので、先へ進む。そこに島の人がいたので、教えてもらった店のことを聞くと、やはり、その家だという。島の人しか利用しないので、みんな知っているから看板もないし、路地の奥の方にあっても差し支えないのだろう。こういう店、以前もあったな〜と思いだしてみると、長崎県の宮の浦という港の店もそうだったことを思い出した。その店も路地の奥の方に店がひっそりと営業していた。夕食になるようなものが売っていなくて、パンも賞味期限切れだったりで、困っていたら、ご厚意で、おにぎりを握ってくれお金もいらないといってくれたところがあった。あの時は本当に助かった。なんか、そんな雰囲気だ。
 店に入ると、チャイムがなり、奥から、やさしそうなおばあさんが出てきた。島以外からのお客さんというは珍しいようで、いろいろとお話した。ここは、カップ麺は売っていたが、パンとかはなく、昼食になりそうなスナック菓子・・・かりんとうを購入。お話していると、おばあさんが、コーヒーを入れるから飲んで行きなさいと言ってくれた。ちょうど、近所の人がお茶を飲みに集まってくるころということだった。そうこうしていると、本当に一人もう一人と集まってきて、ごあいさつをした。私の旅についていろいろ質問してきて、私が答えるという感じになった。島のみどころなども教えてくれあっという間に時間が過ぎて行った。5時間という限られた時間ではあったが、なんと、1時間もここに居てしまった。それだけ、温かい雰囲気で、島の人たちとの時間がほっこりとした気持ちにさせてくれたからだろう。

 その店をあとにして、平郡島巡りスタートだ。まず、町の雰囲気がとてもよいので、街並みの散策をし、北側へ続く道を進む。島の人から教えてもらった、隣の島がよく見える高台に行ってみることにした。途中、港を見下ろせるような道があり、ここからの景色は本当に綺麗だった。ただ、教えてもらった高台の表示などはないので、この道、と思って進むと、行き止まりというようなことが何回かあり、迷い迷い進む。結局、それらしいところは見つからず、時間の関係で先へ進むことにした。残念。ただ、道から見える海や景色は本当に美しく、それだけで、来たかいがあったように思う。

        

    

   

 次に行ったのは、これも、おばあちゃんが教えてくれた、赤石神社。海のすぐ横に立っている神社。そして、その近くに蛇の池があるとのこと。坂をくだってそこへ向かう。小さな神社だが、綺麗な海とマッチしていて、いい感じだった。その先に進むと、蛇の池がある。こんなに海の近くに割と大きな池。ここも何か不思議な感じがした。 その後、再び坂を上り、元の道路に戻るが、その途中にイノシシの罠がしかけてあった。もともと居なかった猪が、海を渡ってきたそうで、現在は大繁殖して島の人たちは困っているらしい。

     

 北側の道も多少のアップダウンがあったのだが、それでも景色もよく気持ちよく進むことができた。途中、港か何かを建造中なのだろうかコンクリートの大きな塊が結構な規模で建築されていた。何だろう?この後、道も海沿いのフラットなところへ出て、ますます快適に進む。多少時間のことが気になったので、のんびりというわけにもいかなかったが、景色の眺めていい気持ちで行く。

     

   

 そして、帰りのフェリー乗り場、島の東側の集落へ到着。ここの町の雰囲気もいい。あとで、知ったのだが、ここの小学校は休校していたのが、最近再開され、1名だった児童数もテレビの「なにこれ珍百景」で取り上げられたことで、移住してきて、6名に増えたということを知った。そういえば、うどちゃん大好きの小学生がいたなあ〜と思いだした。あの番組は実は、ここのことだったのだ。
 この東側の集落には猫も結構いた。島に猫というパターン。本当に多い。癒される〜。

      

 急いだかいあってフェリーの時間までまだあったので、もう少し先まで行くことにした。ここの山を越えると、五十谷三島という景勝地があるらしいが、そこまで行くには、時間的に難しかったので、盛鼻という岬方面へ向かう。少ししたら行き止まりになってしまい、Uターン。平郡東港からなので、フェリーは2時に出るのだが、時間は既に1時15分ぐらいだった。お腹もすいてきたので、ここで昼食。シングルバーナーを準備し、湯をわかし、平郡西港のお店で買ったカップ麺とかりんとうを食べる。その後、コーヒー。

       

 2時も近くなってきたので、港に向かおうとすると、MTBに違和感が・・・。なんと、リアのタイヤの空気が抜けているではないか。まあ、それでも少し抜けたという感じで、完全に抜けてはいなかったので、フェリーに間に合わないと洒落にならないので、そのまま行く。きっと、悪路の部分も多かったので、どこかでパンクしたのだろう。ただ、徐々に抜けるタイプのパンクで助かった。無事、フェリー乗り場に到着し、フェリーに間に合った。帰りは、平郡東港なので、柳井まで1時間40分もある。今回も、横になれるスペースを確保した。これで、疲れがとれる。フェリーが出港し、少しすると、行ってみたかった五十谷三島が見えてきた。今回は、自転車では行けなかったが、この景色を海から見ることができまあ、よしとしよう。とても綺麗な景色だ。

       

 その後、横になってうとうととし、平郡西港についたことも気がつかなかった。柳井が近くなり、やっと目が覚め、瀬戸内の景色を眺めながら船に揺られる。柳井到着。MTBのところに行くと、軽トラから声が、平郡西港の店で一緒にコーヒーを飲んだ方だった。お礼をいい、お別れ。そして、MTB・・・・やはり、リアのタイヤの空気は完全に抜けてぺしゃんこになっていた。降ろさなくてはならないので、おして、港へ上陸。シエンタを駐車してあるところまで、距離があるので、MTBに乗って行かなくてはならない。ここで、パンク修理をしてもいいが、もう少しの距離なので、今回は空気を入れるだけにしてみた。すると、徐々に抜けるタイプなので、なんとか、無事駐車場に到着することができた。パンク修理は、家に帰ってから本格的にすることにして、今回は、これにて、『つぎはぎ日本一周』平郡島 終了〜。
 1日2便のフェリーの離島でもできたので、今後、まだまだ島巡り開拓できそう。 

 

本日のデータ
 走行距離 ? 25キロ程度
 柳井〜平郡島フェリー代(自転車含む) 2020円×2

















『つぎはぎ日本一周』平郡島