つぎはぎ日本一周

『青海島周辺』

2016.3.29

 


 近いので、いつでも行けると思っていたから、なかなか行けなかった長門方面。つぎはぎ日本一周といえるかどうか微妙なところなのだが、島めぐりの一つということで、レポートをまとめてみたい。仙崎まではそれほど遠くはないけれど、朝すぐに活動を開始したいという思いと、車中泊自体がキャンプのようで面白いという気持ちから、仙崎港の駐車場で車中泊をした。まあ、ここで、食事をするわけでもないので、本当に寝るだけという感じなのだが、この非日常感がとてもいい。

朝、目覚めると、いい天気。朝食にシングルバーナーで湯を沸かし、カップ麺を食べる。さあ、出発。

  

青海島。ここは、橋で本土とつながっている島だ。金子みすゞで有名な仙崎、その仙崎から橋でつながっている島だ。まず、橋を渡ってすぐのところに、王子山公園というところがある、ここから眺める仙崎の風景をみすゞは大好きだったということだ。確かに仙崎全体が見え、とてもいい雰囲気の風景で、みすゞの気持がわかるような気がした。

 

青海島を時計回りに回っていくことにした。少し行くと、海岸線に、コンクリートブロックが何本も突き出ているところに出た。これは、砂浜が後退するのを防ぐようなところによく設置してあるものだろうと思う。実はここ、波の橋立というところで、遠くから見ると天橋立のような風景の場所だ。右側には湖、左側には海でその中を細長い陸地が続いているようなところだ。その中の散歩道、自動車留めがあり、乗用車などは入れないようになっているのだが、そこを地元の人や観光客などが散歩するように整備してあった。私も、ロードバイクでゆっくりと進む。

  

その後、高山というここ青海島では一番高い山があったので、最近恒例の登山にも挑戦した。ロードバイクで登っていくと、オートキャンプ場が見えてきた。ここからは登山道のようだったが、未舗装路で、ロードバイクではちょっと無理っぽかったのだが、MTBだと、結構先まで行けそうな道だった。こういう時に限ってロードバイク。まあ、平地の速さではロードバイクに分があるので、今回はそれを優先させたのだから仕方がない。MTBでは登れそうな道を徒歩で進む。

  

ところどころショートカットのようになった階段があり、そちらも歩いた。高山山頂に到着。やはり、山頂は気持いい。特に、さっき通った波の橋立がとてもきれいに見え癒される。山頂には第2次大戦のときの、コンクリート製の建物があった。この近海の監視をしていたものと思われる。

   

  

中を見ると、小さい部屋が。暖炉を囲むような部屋、調理場などがあり、窓枠などはもうないが、結構きちんと残っていた。いつもなら、山頂で、シングルバーナーを出して、カップ麺を食べるというパターンだが、今回は昼食には時間が早すぎるので、下山することに。

 グーグルマップには、その後、道が出ていなかったのだが、島を一周するような方向に結構立派な道があったので、行き止まりになっても引き返せばいいか、と思い、その道を進んだ。結構なアップダウンがあったが、意外にも割といい道が続いていた。途中から島を縦断する形で、南側へ出た。ここからは、一本道で、島の東側へと続く道となる。

   

この道を進むと、海上アルプスという表示が出てきた。以前家族で車で来たことがある場所で、子どもが小さかった頃なので、ところどころしか記憶には残っていない。遊歩道なので、自転車では進めず、徒歩で、進む。この遊歩道から見える海岸線の風景、本当に見事だった。

     

遊歩道も整備されていて、絶景に癒されながら進めるおすすめスポットだ。自然が作り出した海上庭園といった感じだ。

      

その後、島の東側へ向かって、フラットな道が続く。

通(かよい)という漁村に到着。鯨の資料館もあり、捕鯨の歴史なども展示してあり、興味深く見学することができた。

 一番捕れた1846年には、半年で24頭捕獲したとい記録もあるそうで、捕鯨の港として栄えていたことがうかがえた。また、鯨は食料はもとより、様々な生活用品として、隅々まで活用され、お墓を作って供養するほど、感謝されていたそうだ。

 ただ、この年にアメリカで鯨銃が発明され、鯨油をもとめて、西洋各国が日本海近海の鯨を10年間乱獲し、鯨がほとんどいなくなってしまったそうで、現在の鯨をとること自体を非難している西洋の各国の矛盾を強く感じながら、この資料館を出た。

 この町の雰囲気もとても素敵で、斜面に何本か狭い路地が通っていて、その向こうにも港があり、景色を楽しませてくれた。

      

  

 
ここが、東側の端の町ということで、Uターンして仙崎方面へ向かう。島の北側の道は結構アップダウンがあったが、こちらはほぼフラット、あっという間に仙崎に到着といった感じ。途中の風景もきれいだった。

   


 スタート地点に到着。本当なら、ここからロードバイクで、長門古市方面に向かい、千畳敷や、最近脚光を浴びている元乃隅稲荷神社などに行きたいと思っていたのだが、青海島で、少々ゆっくりしすぎてしまった。残念ながら、自動車で長門古市まで行き、そこからロードバイクで行くことにした。長門古市の近くで駐車場を探す。運動公園の駐車場があったので、そこにとめさせてもらい、そこからスタート。
 駅から千畳敷までの道のりは、結構の坂、坂、坂。以前車では来たことがあったのだが、こんなに、坂が続いてたっけ?と思うほど。途中、へろへろになりながら上っていると、車の中から、「がんばれ~」という声援が。ありがたい。やっと千畳敷に到着。達成感あり。そんなとき、若い2人組に声をかけられた。さっき声援をしてくれた人たちだ。ロードバイクが趣味らしい。自転車という共通項があると、すぐに話がはずみ、仲良くなれる。

    

 その後、平成27年のアメリカのCNNが選んだ日本の最も美しい場所31選の一つに選ばれた場所として、にわかに脚光を浴びている元乃隅稲荷神社へ向かう。ここも、アップダウンがあるみちだったが、下りも結構あったので、それほど苦労することなく到着。駐車場から眺める神社は、本当にきれい。さすがは、CNNが選んだだけはある。解説などをよく見ると、津和野の太鼓谷稲荷神社からの分霊されたところということで、元祖よりも有名になったことになる。

     

 帰りに、鳥居の上にある賽銭箱(このつくりもなかなか面白い)に賽銭を投げいれてみることに、なかなか入らないようで、入れる人が苦労して、順番待ちをする感じ。自分の番が来て、いざ、賽銭を投げ込むと、なんと一発で入った。これはご利益がありそう。いい気分になったところで、次のスポットに向かう。龍宮の潮吹というところ、この神社のすぐ近くだ。ただ、この日は波が穏やかだったこともあり、どこなのか、はっきりしなかった。波が強いときは、30mもの海水の柱ができることもあるそうだ。

 

そして、最後に向かったところは、これも、以前車でいったことがあった場所だが、東後畑棚田というところ。この時期はまだ、全部の田んぼに水が引いてある状態ではなかったのだが、棚田の雰囲気はさすがにきれいたっだ。また、水がはった状態のときに来たいところだ。以前来た時に水がはっていて、ずらりと、カメラの三脚がならんでいたことを思い出した。

   

 走行距離 56.9㎞
    くじら館入館料 200円
         

 

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