つぎはぎ日本一周

『軍艦島』(長崎県)

2016.4.1

 

 春休み、なんとかして、『つぎはぎ日本一周』をしようと思っていた。異動などもあり日程的に厳しい面もあったが、幸いにも4月1日~2日がフリーとなった。2日間あるので、普段は行けないやや遠いところに行きたくなった。周回コースで計画すると、車中泊が使え、格安で実施できる。そこで、いろいろ考えたのだが、長崎の海岸線でまだ行っていないところに行こうかな?というアイデアが出てきた。そして、長崎といえば、いつかは行ってみたいと思っていた軍艦島もある。これをなんとかセットにして実施することにした。しかし、いざ軍艦島に行くといっても、インターネットで調べたら、ツアー専用で、個人で上陸するなどはできないらしい。そこで、3月31日の夕方、検索してみたら、ツアーは予約制となっていて、1日(金)のツアーはまだ空席があるという情報だった。しかし、土曜日や日曜日は、4月ほとんどが満席という状態。超人気ツアーなのだ。平日に行けてラッキー。空席なので、予約をしようとしたら、検索したツアー会社のインターネット予約は前日の午前中までということで、あとは、電話予約だった。しかも電話の予約ももう時間すぎていたので、明日の朝一での予約になる。まあ、空席があるので、なんとかなるだろうという安易な気持ちで夜に益田を出発した。
 軍艦島の午前中のツアーを実施したら、午後が空くので、その時間で長崎半島の南側を一周するという計画にした。
 さて、長崎に向かい車を運転する。不思議と眠気は感じない。楽しいことをする前日の子どものような状態なのだ。結局深夜1時半ごろ、長崎ちかくのPAに到着。(名前を忘れた・・・写真のPA)
 ここで、車中泊をすることにした。長崎港まではまだ少しあるのだけれど、ツアー集合の時間が9時30分ぐらいとやっくりしているので大丈夫。ベッドに入り、もう一度、スマフで軍艦島ツアーのサイトを見てみると、ショック!夕方見たときには空席だった、午前便が満席という表示に変わっているではないか!! ここまで来て軍艦島に行けないことになるかも・・・とあせる。しかし、検索すると、もうひとつツアーをやっている会社のサイトがあった。そこを見ると、空席があり、その場でインターネット予約ができるようになっていた。すぐに、予約をし、なんとか、これで、明日軍艦島に行くことができる。あせったけれど、結果オーライ。

    

 朝、目が覚め、長崎港へ向かう。長崎港には、いくつか有料駐車場があるが、インターネットの情報によると、公園の駐車場が安そうだったので、行ってみた。平日ということと、まだ朝早かったということだろう、ずいぶん空きスペースがあり、すんなりと停めることができた。安いといっても、最初の2時間は30分50円で、それ以後は30分150円という設定。ここの公園でシングルバーナーを使い朝食をとり、散歩をするなどして、ツアーの時間を待った。
 このツアー、外国からの団体も入っていてほぼ満席。昨夜予約しておいてよかった。
 ツアーのための手続き等をし、いよいよ軍艦島ツアー出発。席は自由らしいので、手続き後、できるだけ早く乗り場に並ぶ。すでに、3番目だったのだが、これなら、いい場所に座れる。せっかくなので、オープンデッキの海側で、景色がしっかり見える場所に陣取りたい。入船開始。ほぼ希望通りの席に座ることができ、幸先のよいスタート。軍艦島に着くまでに、船の大きなディスプレイで軍艦島の説明動画が流される。思っていた以上に多くの人々が生活していたということが分かった。これほど、厳しい環境なのに、なぜこれだけの人が働きにきていたのかというと、やはり、そうとう給料がよかったようだ。本土の公務員と比べても何倍もいい給料をもらっていたらしい。当時珍しかったテレビなども、ほぼどの家庭にもあったというようなお話を聞くことで、軍艦島での生活を想像することができた。
 軍艦島が近づいてきた。さすがに迫力がある。この島をぐるっと船で2回ほど回る。船のどちら側に乗ってもしっかり見ることができるようにという配慮だ。これにより、じっくりと島の様子がうかがえた。軍艦島とはよく言ったもので、本当にそんな風に見える。
 高層住宅が密集していて、廃墟なのではあるが、どこか荘厳な感じさえする。
 そして、いよいよ上陸。主要な個所で、ツアーの方の説明があり、廃墟の迫力と、当時の生活をリンクさせながらしっかり軍艦島を堪能した。
 危険な状態の建物が多く、上陸しても建物に近づけるのは低層のものだけだったのが、少し残念ではあるが、安全確保のためにはまあ、仕方がない。実際、過去のツアーの最中に高層建築の屋根の部分ががさっとつぶれるようなことがあったそうだ。日々風化していく軍艦島を現在見学しているという状態だそうだ。保存のための工事など、計画はあるそうだが、相当な資金がいるということで、なかなか進んでいないらしい。

    

ここからが軍艦島
    

上陸
    

   

 軍艦島ツアーを終え、長崎港へ戻ってきた。昼前だったので、途中で昼食はとることにして、そのまま、自転車の準備をし、南下することにした。駐車場もやや値段はするけれど、この公園のものを利用することにした。2時間いないは30分50円ということなので、少しでも節約するために、いったん出して、再び入れ、その後、自転車でスタート。
 ツアーの船の上から見た景色もよかったが、こうして海岸沿いの道を進みながら見る景色もいい。絶景ポイントがいくつもあり、そこで写真を撮りながら進む。今回は山には登らないので、途中の海岸でシングルバーナーでお湯をわかし、カップめんとコンビニおにぎり、コーヒーといういつものパターンの昼食を食べる。この雰囲気・・・いいんだな~。
 夫婦岩もいい感じ。途中、サイクリングロードなどもあり、そこも通ってみたりした。今日は、再び車中泊なので、割とゆったりできると思い、海岸線を堪能した。

      

樺島という島へ向かう。ここは、野母崎の南端の島だ。ここには、橋がかかっていて、古い町並みがあった。少し行くと大ウナギという看板があったので、そこへ行ってみた。すると、地元のおばあさんが声をかけてくれ、以前のこの島の様子をお話ししてくれた。大ウナギがいた井戸などを教えてくれたりしたのだが、以前、漁業が盛んだったころの村のことを懐かしそうに話す姿が印象的だった。 大ウナギは以前は井戸に住んでいたそうだが、現在は、水槽にうつされ、誰もが、見学できるようになっていた。

     

 樺島を後にして、今度は野母崎の南側の道権道34号を進む。この道が思った以上にアップダウンがあり、時間がかかってしまった。本当ならば、この半島をぐるっと一周したかったのだが、そうするには真っ暗になって走ることになりそうだった。知っている道ならそれも悪くないのだが、まったく未知の道、それを実行するには少々勇気がいる。安全策をとって、今回は、ショートカットで、為石町から三和にぬけ、国道499号を通ることにした。

       

夕方、まだ暗くなる前に長崎に到着。やはり、ショートカットにして正解。今晩も車中泊なのだが、明日は長崎散策ではなく、大村湾沿いの道を行くことにした。そのため、諫早へ移動し、そこで、適当な場所を探すことにした。高速に乗り、諫早へ移動。駅の回りにいい場所がないか、いろいろと探したが、なかなか適当な場所はなかった。ただ、近くの神社の駐車場があるにはあったが、夜10時にチェーンがはられ、朝の10時になるまであかないという場所だ。明日は、自転車で行って、輪行で帰ってくるので、問題はないのであるが、もし、夜の10時までに帰れなかったら洒落にならないという心配もあった。まあ、10時より遅くなるということはさすがになさそうだったので、本日の車中泊は、こことした。幸いにも、この駐車場は24時間のトイレもあり、助かった。駐車場の場所を確保したら、やはり、今日の汗を流したくなる。ナビで検索して、近くの温泉施設を探し、そこへ行く。いいお湯で、疲れがとれる。ついでにそこで、夕食をとろうと考えたが、時間がすぎてもう、やっていなかったので、近くのファミレスで夕食をたべ、車中泊場所へもどる。セッティングして、早めの就寝。10時になったらきっちりと、係の人が来て、施錠をしていった。車中泊は、低反発マットで快適。


 走行距離 フェリーも含め およそ25㎞
 軍艦島ツアー4000円 プラス入島料300円
 駐車料金 2000円程度
 高速料金 美祢東~長崎 4350円 (ETC割)     

 

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