つぎはぎ日本一周

『大島』(山口県萩市)

2016.4.10


 この春の異動で、再び小学校へ。久しぶりなので、そのペースになかなか対応できず、戸惑いながらの1週間。疲れがたまっているのであるが、それを解消するためにも、やはり好きな自転車旅。今回は遠くへ行くのはやめ、近くの萩の大島へ。いつかは行こうと思っていた島だ。この島は、お盆を逆さに浮かべたような島で、集落のあるのは低地で、急な登り坂を登ったら、平らな土地が標高110m付近の高さで広がっていて、そこは耕作地になっている。

 今回は車中泊はしなかったので、朝早く益田を出たのであるが、思ったより時間がかかり、出港の15分前に港に到着。急いで、自転車をおろし、乗船券を購入しにいったのだが、自動販売機はなく、一人の方が他の航路の乗船券も含み販売していた。何人並んでいたので、間に合うか心配していたのだが、私が購入しようとしたら、ちょうど、出港するタラップが上がり始めてしまった。係の人がまだ乗る人がいるということを伝えてくれ、なんとかセーフ。本来なら、自転車の券は別のところで購入しなくてはならないシステムになっているらしいのだが、帰りの便で往復料金を支払うということで、すぐに乗せてくれた。あせり...。 「ご迷惑をおかけしました。」

   

 さて、出港して萩の沖から萩を眺める。笠山なども見え、これがなかなかきれい。 20分ぐらい、フェリーに乗り、大島港が近づいてきた。集落が港側の斜面に密集している。

 大島港に到着し、まずは乗船券売り場で、帰りの乗船券と、自転車の往復料金を支払った。そこにおいてあった島の案内図をいただき、その案内図を見ながらのそうない散策。海岸沿いに一周できるような道はないようで、行き止まりの道を何か所かいったりきたりで、島内を巡るといった感じになりそう。まずは、西側へ向かう。途中の島の街並みは、車があまりないことと、集落が密集しているからだろう、とても道が狭く、迷路のように入り組んでいた。また、レトロな雰囲気もあり、あちこちで写真を撮った。そんな道を進んでいくと、海岸線に出る。ここからは、海岸沿いに防波堤の内側の道が続いていた。ただ、ちょっと行ったら行き止まりになったので、引き返し、いよいよ高台へ向かう。

 

        

高台へ向かう道はまさに激坂。これがメインストリートというのはなかなかのもの。郵便局や小中学校など、この坂沿いにある。島の人が生活をする中で一番行き来するであろう道だ。

 この坂をじわりじわりといった感じでビアンキで進む。権現山などの激坂でトレーニングをしているので、それでもなんとかなったが、そういう経験がなかったら、きっと、途中であきらめて歩いていたかも、というほどの坂だ。途中、何人か島の人に出会ったが、みんなこの坂を自転車で上っている姿をみて、びっくりしているようだった。

 途中、この激坂の様子を写真で撮ろうとしていたところに、おばあさんが声をかけてくれ、自転車で上ってきたことにびっくりされたようだった。ついでに、この先の道のことを聞くと、いろいろ教えてくれ、ご主人まで呼んでくださり、さらに詳しく島の様子や歴史などについてお話しをしてくれた。そんな中、おばあさんは、わざわざ家に帰ってオロナミンCを持ってきてくれた。ありがたい~。

 お礼を言い、先へ進む。すると、徒歩で、この坂を上っているご夫婦が見えた。さっきの、フェリーに乗っていた方だ。少しお話しすると、徒歩で島巡りをするのが趣味ということで、同じ匂いを感じた。

   

  

 坂を上りきると、ぱっと畑が広がっていた。道が何本かに分かれていたので、いろいろな方向に行ってみることにした。畑にはたばこが栽培されていて、その苗にビニールが筋状にかけてあり、きれいな景色になっていた。また木々ががほっこりと立っていて昔話に出てきそうな風景があったりした。日曜日でははるが、畑作業は天気のよいときにやるということだろう、畑で働いている人がとても多いという印象だ。島の道を行き来していると、さきほどのご夫婦と何度も出会った。

 

     

     

  

 高台をめぐり、いろは坂という坂をおりる。眼下に海が広がり、ここからの景色もいい。
 いろは坂をおりておりて、島の東側の雄阿久瀬というところへ行く。海岸には赤い石がごろごろしていて、独特の雰囲気。

  

 再び、集落へ行き、街並み散策。結構の数の漁船が停泊している。高台では畑が広がり、漁港としても活気がある感じだ。

     

 その途中、再び、さきほどのご夫婦に出会った。こう何度も出会うと、同士のような気持ちになる。普段あまり、住所の交換とかはしないのであるが、今回は名刺をもらったり、私のHPの紹介をしたり、一緒に写真を撮ったりした。島めぐりを趣味とされているということだが、それ以外に、いろいろな神社の狛犬についても調べ、写真を撮ってまわったりしているということだった。

     

 

 
 
 昼近くなったので、恒例のシングルバーナーでカップ麺を食べる。今回は漁港。この時間がいい。食後のコーヒーもうまい。
 13時のフェリーにのり、今回の『つぎはぎ日本一周』終了。近くの島だったのだが、とても楽しい時間となった。

 走行距離 およそ19㎞
 萩港~大島港  乗船券 400円 × 2
 自転車 320円 × 2
       

 

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『つぎはぎ日本一周』